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2014年3月16日 (日)

「大統領の執事の涙」

すっかり春めいて来た。
先日シネコンで「大統領の執事の涙(The Butler)」を見て来た。
見た後の印象は、予想と違っていて、主人公が粛々とホワイトハウスで歴代の大統領に仕えた
日々を描いて行くのかと思っていたら、主題は'60年代の激烈なアメリカの黒人差別だった。

アメリカ南部の綿花農園。映画は主人公の少年時代から始まる。
'50年代頃と思われるが、黒人たちがそこで労働する様子はさながら奴隷制度の時代そのもの。
少年の母は公然と白人に犯され、父はちょっと楯突いたために銃で殺されてしまうが、白人は
お咎めなし。

彼は自ら農園を飛び出し、都会へ出て一歩ずつ黒人としてのステイタスを上げて行き、ある意味
下働きの世界での究極の働き場所、ホワイトハウスへ職を得るに至る。
彼の処世哲学はひたすら、忍従に徹するものだった。

主人公の息子は南部の大学へ進学、そこで黒人解放運動のグループへ入り、侮辱を受け、
留置場へぶち込まれ、KKKの狂信的な襲撃を受け生命の危険にさらされ・・・・・・
それでも活動をやめようとしない。

この映画を見る直前にレンタルで見た「リンカーン(Lincoln)」を想起せざるを得なかった。
リンカーンは丁度この百年前、南北戦争の時代に北部の大統領だったわけで、奴隷解放を法的に
実効性あるものとするため、合衆国憲法13条の改正に尽力する。
この映画の眼目は、下院での議決の3分の2を獲得するための事前工作である。

百年前に黒人は解放されたと単純に思っていただけに20世紀の人種差別は衝撃だった。

リンカーンの1代前の大統領は、ジェームズ・ブキャナン15代だが、これも先日読了した若泉敬
「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」最後の「跋」にブキャナン大統領時代に鎖国を破る形で日米の国交が
始まり、その端緒は黒船のペリーだったが、彼が最初に立ち寄ったのが琉球・那覇港だったとある。

若泉敬の著書は、佐藤政権の沖縄返還交渉の内幕のドキュメントだが、そのクライマックスが
'69年11月の日米首脳会談だ。
この際の共同声明で沖縄の施政権が日本へ返還されることが明記された。

この本にも出てくる佐藤・ニクソン会談のあった'69年末の衆議院総選挙では、NHKの選挙予想の
世論調査のアルバイトをした。

地元近隣でしかも区域が限定されていてノルマも余り多くなく、比較的好条件のアルバイトだった。
調査対象ではなかったが、区域内に高校の同級生が浪人中で自宅にいて何かとお世話になった
のだった。

この時のバイト代で初めてクラシックギターのLPレコードをヤマハでGETしたのだった。
(ちなみにセゴヴィアのシャコンヌ、ヴィラ=ロボスの前奏曲3番他の入ったものとイエペスの
「5世紀にわたるスペインのギター音楽第2集」の2枚だった。)

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