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2014年9月 1日 (月)

スイス・ロマンド管弦楽団演奏会

NHKEテレの「クラシック音楽館」でスイス・ロマンド管弦楽団の来日公演がオンエアされた8/24(日)放映)。
7/8サントリーホールの録画である。プログラムは以下のとおり。

1.藤倉 大「Rare Gravity」
2.チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.35」
3.ベルリオーズ「幻想交響曲op.14」

指揮は山田和樹、チャイコフスキーのソリストは樫本大進、また藤倉 大の作品は山田へ献呈され、これが初演とのこと。
山田と樫本は同年で'79年生まれの35歳、共にベルリン在住で親しい仲のようだが、共演するのはこれが初めてとのこと。

指揮者、ソリスト、そして邦人作品の初演と、コンサートの主軸を日本人が占めて、ヨーロッパの名門オーケストラの一つであるスイス・ロマンド管弦楽団が15年振りとなる来日公演を行うことは、感慨深く、また非常に意義深く感じた。

藤倉の作品は現代作品に有り勝ちな無味乾燥さはなく、聴いていて耳に快さを感じた。
演奏後、山田に促され、客席からステージへ立ち、聴衆と団員へ返礼していた。

樫本はベルリンフィルコンサートマスターの地位が定着しつつあり、恐らく多忙であるだろうスケジュールの中へ母国での活動の一つとしてこの日の演奏が組まれたのだろう。
はじめから終りまで超絶技巧の連続で、ソリストを殆んど休ませないこの作品を確かな技巧で弾ききった。
楽器はわからないが、音は渋く、洗練されて、ひたすら華麗なだけでなく、抑制が程良く効いていて、彼の演奏はあまり聴いていないが、それらは彼の音楽性の音への反映ということなのだろう。

礼奏としてバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番の「ラルゴ」を奏いた。
技巧を誇示せず、抑制した曲造りはバッハに向いている。一度彼のバッハ無伴奏連続演奏を聴いてみたいと思った。

最後のベルリオーズはスイス・ロマンドの主要レパートリーのひとつだそうで、これに対して山田は暗譜で指揮に臨んだ。
山田の指揮ぶりは颯爽としていて、シャルル・デュトワの系列と言うと語弊があるが、きびきびしていて好感が持てるものだった。

「幻想交響曲」は高校時代に家がレコードを取り扱っていたクラスメートからLPを入手した思い出の作品である。
クリュイタンス、パリ音楽院管弦楽団の演奏で、当時は繰り返し聴いたものだ。
その後はこの作品とは縁遠く、今日にいたってしまった。
下はそのLPのジャケット。かれこれ47年前のものだ!

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テレビのスピーカーからではあるが、山田のタクトにより紡ぎ出されるスイス・ロマンドの音は、この番組のメインオケであるN響の音とははっきり違う。
スイス・ロマンドの方が色彩感が豊かで、華やかさを感じた。
「幻想交響曲」はそういったスイス・ロマンドに合った作品かも知れない。

第2楽章のワルツは好きで、これを聴いているとチャイコフスキーの「悲愴」のやはり第2楽章のワルツを連想、対比する。

スイス・ロマンドの常任指揮者はネーメ・ヤルヴィ。この4月にN響定期を振っていて、その際は北欧作品(シベリウス、グリーグ、スヴェンセン(ノルウェーの作曲家。このコンサートで知った。))を演奏し、このクラシック音楽館で放送された。

画面からは団員に女性が目立っている。N響より多いだろう。またスリムな女性が多い。平均年齢は若いようだ。

アンコールは2曲。
1.シュレーガー「舞踏劇「ロココ」から「マドリガル」」
2.ビゼー「アルルの女第2組曲」から「ファランドール」

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