« イリーナ・クリコヴァ・ギターリサイタル(その1) | トップページ | 谷崎潤一郎展 »

2015年4月 5日 (日)

イリーナ・クリコヴァ・ギターリサイタル(その2)

さて、イリーナ・クリコヴァのリサイタル・プログラムの最大の特徴は母国ロシアの作品を核に据えているところであろう。
コンスタンチン・バシリエフ、セルゲイ・ルドネフ、そしてアンコールではコズロフと3名も採用した。

バシリエフはシベリア出身で今年45歳、「3つの森の絵」はロシア出身のローマン・ヴィアソフスキーに献呈された作品。

「樫の老木」、「春を告げる花 」はゆっくりした曲。
「春を告げる花 」の方は、曲名に似ず、ものうい曲調で、うきうきする気分には程遠い曲だ。
「森の精霊の踊り」は急~緩~急の3部分形式でヴィルトゥオージティを発揮するにふさわしい曲。

ローマン・ヴィアソフスキーといえば第42回東京国際ギターコンクールの覇者。
そして翌年のコンクールへ招待され、ゲスト演奏をしている。
私は両年とも会場へは行っていないが、招待演奏の方はやはりNHKFMで'00年12月23日オン・エアの第43回東京国際ギターコンクールの特別番組のエア・チェックで聴いている。
曲目は

・A.ホセ「ソナタ」
・バシリエフ「3つの森の絵」から「森の精霊の踊り」
・R.ディアンス「リブラ・ソナチネ」から「フオコ」
だった。
よって、この時すでに作曲されていたわけだ。

先にローマン・ヴィアソフスキーをロシア出身としたが、クリコヴァ・リサイタルの放送に従ったもので、先にペぺの項で記した「現代ギター」NO.421('00年2月号)グラビアの第42回東京国際ギターコンクールのレポートではウクライナ出身になっている。

'99年の第42回の直前の11月23日に千葉県富里町(当時)で行われたプライベート・コンサートで、私はローマン・ヴィアソフスキーを聴く機会に恵まれた。
当時@niftyの前身のNIFTY-SERVEのPATIOにギター専門誌「現代ギター」の当時の編集長が主宰していたGG-PATIOへ、会員の地元の方が情報提供されて、妻と聴きに行ったのだ。

こちらは何を演奏したのかメモがなく、記憶も残っていないが、恐らくコンクール本選自由曲、課題曲に重複したものだったと思う。

・ポンセ「主題、変奏と終曲」
・ディアンス「フオコ」
は入っていたような気がする。

この人は当時25歳だったので今は40歳になる。ケルン音大で佐々木忠に師事していた。
富里でのコンサートは、佐々木氏の姉君が在住していた縁で実現した由。

バシリエフのもう1曲「3つの抒情的作品」は副題が興味深い。
「エレジー」は、どこがラフマニノフなのか、よくわからなかった。
「回想」は、中間部のトレモロがバリオスを連想させる。
「モジアナ」は、非常に哀感溢れる曲調。’V=ロボスの思い出に’のサブ・タイトルが最もふさわしく感じる作品だ。

前半のプロの柱の一つバッハの「無伴奏チェロ組曲第1番」 (自編)
福田のバッハチクルスVol.4の解説によれば、種々の調性でのアレンジが出ているそうだが、聴いた限りではニ長調のようだ。
ちなみに福田氏のdiscもニ長調。
双方比較すると、福田氏には見劣りするようだ。(あくまで相対的なもの)

そして前半もう一つの柱のソル「幻想曲第7番」
当夜の白眉かも知れない。
これぞソル、というべき規範的な格調高い演奏。
ロシアの人がソルの核心を捉えた演奏をするというのも何か妙な気がするが、ソルはコスモポリタンな作風なので、前言は偏見と云うものだろう。

30日(月)の放送に触発され、久し振りにギター音楽に浸った一週間となった。

« イリーナ・クリコヴァ・ギターリサイタル(その1) | トップページ | 谷崎潤一郎展 »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: イリーナ・クリコヴァ・ギターリサイタル(その2):

« イリーナ・クリコヴァ・ギターリサイタル(その1) | トップページ | 谷崎潤一郎展 »