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2015年9月 7日 (月)

中野振一郎チェンバロ演奏会

地元の君津市民文化ホールで中野振一郎のチェンバロを聴いて来た。
題して、「宮廷音楽への招待状」~チェンバロとヴァイオリンの優雅な響き~で、三井住友海上文化財団の派遣コンサートである。
よって、料金は\1,500と格安だった。
2部構成で、1部は中野のチェンバロ独奏、2部はヴァイオリンの川田知子との2重奏だった。
全体を通して中野の温か味のある解説がステージと会場を親密にしていた。
プログラムは以下のとおり。
第1部
1.B.ガルッピ「アンダンテ ハ長調」
2.J.S.バッハ「イタリア協奏曲へ長調より第1楽章」
3.J.Ph.ラモー「タンブーラン ホ短調」
4.J.B.de.ボワモルティエ「のみ」ホ短調
5.J.S.バッハ(編曲:中野振一郎)「シャコンヌ 二短調」
第2部
1.G.F.ヘンデル「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ニ長調」
2.W.A.モーツァルト「ヴァイオリン助奏付きチェンバロソナタ ニ長調」K.27
3.J.M.ルクレール「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ニ長調」
アンコール:J.S.バッハ「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第1番より第3楽章」

今回のコンサートで使用されたチェンバロはダニエル・デュルケンが1,745年に製作したフレミッシュ・ハープシコードのレプリカで、百瀬昭彦氏の1,995年の作品。
蓋裏の風景画はオリジナルにはなく、別のデュルケンの楽器からの模写とのことだが、見事なもので演奏をより引立てていた。

バッハ「シャコンヌ」は、昨年群馬県で様々な楽器で「シャコンヌ」を弾き較べるという催しがあり、中野氏も自編での参加となり、その後何度か改訂を重ねて来ている由。
非常に歯切れの良い演奏で、テンポはものすごい速さ。
この人は、指回りはよく、澱みのない演奏だが、「シャコンヌ」に関しては速いパッセージ、32分音符の音階とか、アルペジオに不満の残る演奏だった。

「シャコンヌ」総体としてもやや雑な印象を受けた。
とはいえ、チェンバロの「シャコンヌ」は新鮮で、中野氏の創意も盛り込まれ、心に残る演奏だった。

モーツァルトの作品は10才の時のものとのこと。ヴァイオリンの助奏は父のレオポルトが付けたという稀少な作品。
先日もモーツァルト「交響曲第1番変ホ長調」K.16をTV(*)で鑑賞したが、円熟の境地に達した作曲家のものとしか思えないこの作品を8才で作ったと聞いて驚いた事を思い出した。
*:1,812回N饗定期('15.6.12)

ヴァイオリンの川田さんは、颯爽として、清潔感のある大変好感の持てる演奏だった。
アーティキュレーションが明解で、リズム感も良く、こういう人と合せるともの凄く弾き易いのだろうな、と感じながら聴いていた。
プログラムのプロフィールを見るとCDはマイスター・ミュージックから出ていて、福田進一との協演のディスクもある由。

終演後、ロビーで二人のCD販売、サイン会があり、「シャコンヌ」が収録されたものをGET。川田さんもサインしてくれた。

中野氏の実演は今回が初めて。以前FMのスタジオコンサートで聴いているので、氏の人柄、実力は承知していた。
CDのジャケットを見ると、「若林工房」という富山県魚津市のメーカー。
大手メーカーの所属とばかり思っていたので意外だった。

またサイン会と並行してステージでは製作家の百瀬氏によるチェンバロの説明会があり、妻は参加、自分は希望者が多かったので、会場で遠くから窺うにとどめた。

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