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2016年1月18日 (月)

「三井家伝世の至宝」展

15日(金)に「三井家伝世の至宝」展へ行って来た。
今回の展覧会は文庫開設50周年、美術館開設10周年を記念する特別展Ⅱである。
三井記念美術館は今度が初めて。
油滴天目茶碗が展示されているので、一目見ておきたいと思い足を運んだ。

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旧三井所蔵品を引継ぎ運営されているが、現在は外部へ流出した作品も取り寄せ一堂に会し、油滴天目もその一つ。
現在は大阪東洋陶磁美術館の所蔵。
以前のブログに書いたが(参照1:'15.10/14Blog)、平成24年の東洋陶磁美術館開館30周年記念企画展で見て、世上曜変天目の評価の方が高いが、藤田美術館のそれを見たばかりで目にした時は、この油滴天目の整然とした美しさの方へ心を奪われたのだった。
そこで、東京で見ることが出来るというので行った次第。

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東洋陶磁美術館「東洋陶磁の展開」('94年改訂版)の解説には歴代の所有者が記されており、関白(豊臣)秀次、西本願寺、三井家、若狭酒井家と伝来して来たとある。その後安宅コレクションに入り、現在は東洋陶磁美術館の所蔵となっている。
今回の解説では、「伊皿子三井家」とあった。また三井家で朱塗菊花形天目台、酒井家で若狭台2つが加えられた、とあった。

会場は、展示室2へ油滴天目茶碗1点を展示するという特別待遇。しかも展示室1で様々な銘碗の数々をこれでもかという位見せつけられた直後である。
そして、待遇を裏切らない別格の気品を備えていた。
東洋陶磁美術館の展示室は明るかった記憶があるが、今回の展示では部屋は薄暗く、スポットライトで照らしていたので、茶碗の内面で光の反射が宝石の粒のようで、ややミステリアスな印象。やはり素晴らしく、見に来てよかったと思った。

展示室3では「如庵」という茶室を再現した空間が趣向。茶室自体が国宝で、一時移築により三井北家にあった由。
展示室4の「東福門院入内図屏風」。徳川2代将軍秀忠の娘和子が後水尾天皇へ嫁ぐ際の行列が描かれている。元和6年(1,620)女御として入内し、後水尾天皇が上皇になり東福門院を号した由。(参照2:'15.12/22Blog
「妙法蓮華経 巻第七」(敦煌経)。唐代の写経というから、正倉院聖語蔵(しょうごぞう)の経巻中「唐経」と称されるものに該当するものと思われる。とすれば国宝級なのではないかと思うが、無指定である。

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それと、王義之をはじめ、唐代四大家から欧陽詢、虞世南の拓本。

展示室6は三井高陽(たかはる)の切手コレクションから。
切手には多少関心があるので大変興味深く見た。エラー切手等の稀少なものの数々の収集と、質的価値はさることながら、価格換算した経済的価値は膨大なものなのだろうなとさもしい事も考えてしまった。また研究の深さに舌を巻いた。

最後の展示室7は全点国宝と重文の作品。長方形の入口から見て右は能面。向かいの左が刀剣で、一番奥の壁に国宝「雪松図屏風」(円山応挙)である。

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右隻の雄松
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左隻の雌松

大変晴れやかな画面で、金泥に金砂子の背景に墨で松が描かれ、積もる雪の白は絵具ではなく紙そのものの色とのこと。
応挙は徹底した写生により対象を把握し、高い技術を駆使して作品を生み出していった。これまで応挙には親しんでこなかったが、今回応挙の素晴らしさに目覚めたのも収穫の一つとなった。

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