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2016年4月 4日 (月)

「フェルメールとレンブラント展」

3月23日(水)六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリー「フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち」展へ行って来た。
六本木ヒルズは今度が3回目になり、前回は2,005年の「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」でレスター手稿を見て以来なので、11年ぶりである。

東京から丸ノ内線で霞が関で日比谷線へ乗り換え、六本木下車。メトロハットB2F「六本木百鳥」で「鶏ささみさび焼きとアボカド重」を食べる。
B1Fから大エスカレータで2Fに相当する66プラザへ。開放的な屋外空間で、チューリップが色鮮やか。「ママン」と言うらしい巨大なクモのモニュメントが目を引く。

森アーツセンターギャラリーは森タワーの52Fで専用のエレベータがある。
展示作品は60点で、フェルメールとレンブラントが目玉。それぞれ「水差しを持つ女」(1,662年頃)と「ベローナ」(1,633年)が出品された。

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上はチラシと作品目録。

「水差しを持つ女」(ニューヨーク メトロポリタン美術館)は他作品とは別格で、独立した展示スペースを占めていたが、45.7×40.6cmとサイズは大きくない。
フェルメール作品はどれもそうだが、実物と図録等の複写との色合いが全く異なる。実物を見てしまうと図録の図版なんぞ見るに堪えなくなってしまう。
筆使いがそれほどに繊細精緻なのだろう。
銀メッキの水差しとその下の洗面器にテーブル・クロスのタペストリが反射している。女性が被る白い頭巾と肩掛けの微細な陰翳描写。背景の白壁も実物を見るとどこも同じ描き方はしていない。

白壁と書いたが、会場の解説は確か「クリーム色の漆喰壁」とあった。水差しと洗面器を「銀メッキ」としたのは会場の解説によったのだが、面白い事に「フェルメールとその時代」展(2,000年大阪市立美術館)P.201の解説(①)は「金」、「フェルメール」展(2,008年都美術館)P.71の解説(②)では「真鍮」と書かれていて全て違う見解になっている。チラシで改めて見ると銀メッキではないように思えるが。

この作品から連想するのは「天秤を持つ女」(ワシントン ナショナル・ギャラリー)だ。「水差しを持つ女」が明るい光で部屋全体が満たされているのに対し、「天秤を持つ女」は画面左上方から右側斜め下へ向かう光が当たる画面斜め上半分が薄明るい、と光の処理はまるで違うが、白い頭巾を被る女性は同じモデルに見える。(ただし、「天秤を持つ女」の方のお腹は妊婦のそれだ。)
両方ともキャンバスの寸法もほぼ同じ。(「水差しを持つ女」は①、②同じだが、「天秤を持つ女」は①が39.7×35.5cmに対し、②は40.3×35.6cmと違う。)
また、「水差しを持つ女」の製作年代も、①は1,664-5年頃としているが、今回の作品目録は1,662年頃とあり、2-3年の隔たりがある。②から8年経過して、フェルメール研究はまだまだ進化の過程にあるということか。

昨年のブログ (フェルメール('15.6.7)参照)に抜けがあった事が分かった。
下の2つを見ていたことを忘れていた。(^-^;

・「恋文」(「レンブラント、フェルメールとその時代」展.2,000(平成12)年7月.国立西洋美術館)

・「レースを編む女」(「ルーブル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」 2,009(平成21)年3月.国立西洋美術館)

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よって'00年以降の来日展で行っていないのは4回、目にしたフェルメール作品は18点/20点となる。

ポストカードは「水差しを持つ女」ともう1枚エマニュエル・デ・ウイッテ「ゴシック様式のプロテスタント教会」(1,680-85年頃)をGET。

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英文の作品名は「Interior of the Protestant Gothic Church with Motifs from the Oude and Nieuwe Kerk in Amsterdam」とある。
「with」以下が邦訳へ反映されていないので調べてみたら、Oude、Nieuwe、Kerk はオランダ語のようで、それぞれOld、New、church の意。ここでは in Amsterdam とあるのでアムステルダム市内の旧、新両教会双方からモチーフを使用して描いた教会内部、という意味になるようだ。固有名詞なのでオランダ語で表記されているわけだ。

よってこの絵は単なるスケッチではなく、仮想の教会が描かれているということなのだろうが、②の図録を見るとへラルト・ハウクヘースト、ヘンドリック・コルネリスゾーン・ファン・フリート、そしてデ・ウイッテのデルフト教会内部を描いた建築画があり、掲載論文に拠れば、これらは概ね忠実に描かれているのではなく、遠近法を操作したり、邪魔な柱を省略したり、実際の視界以上に対象を画面に入れてしまったり、恣意的な画面操作を色々とやっているのだそうだ。

デ・ウイッテはデルフトで活動していてこの作品の頃はアムステルダムへ拠点を移していた由。

会期が残すところ1週間余と云うこの日、観客は結構多かったが、殆んどストレスを感じることなく鑑賞する事が出来た。
ミュージアムショップの壁にフェルメール全作品の実物大レプリカが展示されていた。

ここを出ると52Fからの眺望ゾーン。直下に青山墓地、国立新美術館が見え、徐々に視線を上げて行くと東京ミッドタウン、赤坂迎賓館、そして新宿御苑、新宿副都心のビル群etcが見える。

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