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2018年9月28日 (金)

「モルゴーア・カルテット」

9月23日日曜日、地元の木更津市民会館中ホールでモルゴーア・カルテットを聴いた。

カルテットのコンサートは、実に38年前に千葉市で聴いたスメタナ・カルテット以来!
モルゴーア・カルテットは、「題名のない音楽会」などへのTV出演で知っていた。

会場は音楽専用ホールではないが、楽器の音は明瞭に聴き分けることができ、生演奏の醍醐味を味わうことができた。マチネというのか、午後3時から2時間弱のコンサートだった。

前半はモーツァルトの17番「狩」K.458とラベル、後半は大変異色で、ロックのアレンジでキース・エマーソンとジェネシスのレパートリーが披露された。

アレンジは第1ヴァイオリンの荒井英治によるもので、プログラム解説も荒井が書いている。
大変な力の入れようだったが、余り感動しなかった。
モーツァルトも演奏はよかったが、作品自体が面白いと思わなかった。
唯一興味深く聴くことができたのはラベルだった。ラベルのカルテットは今回初めて聴いたが、出だしでラベルの作品だと分かる。各楽章の対比も際立った作品で、印象的な佳演だった。

ドビッシーの「カルテットop.10」に勝るとも劣らない傑作だ。
これは8月5日NHKEテレ「クラシック音楽館」で放送された(アキロン・カルテット(パリ・コンセルバトワール出身のフランス人の若い女性のグループ)、’17.6/4第一生命H)。

モルゴーアがショスタコーヴィチのカルテット全曲演奏を目的として結成され、これまで4回完奏を遂げているとのことなので、今回のプログラムへもショスタコーヴィチを是非入れて欲しかった。
あと武満作品を愛する身としては、武満の「ランドスケープ」(1960)という単一楽章のカルテット作品も聴きたかった。

前半が終わり、休憩時間にプログラム解説を見ていて、今まで見過ごして来た事に気付く。
それはカルテットの楽章構成の第2,3楽章だ。
モーツァルトK.458 第2楽章メヌエット、第3楽章Adagio
ラベル 第2楽章スケルツォ、第3楽章非常にゆっくりと(Tres Lent)
と、いずれも急-緩である。

これまで漠然と4楽章形式の曲は2楽章-緩、3楽章-急という風に思い込んでいた。
交響曲はそれが一般的で、例えばブラームスの全4曲、モーツァルトの4楽章構成のものはすべて2楽章Andante、3楽章Menuet、ベートーヴェンについては1~5番は2楽章AndanteもしくはAdagio、3楽章1番がMenuet、その他はScherzo、ブルックナーは2楽章AndanteもしくはAdagio、3楽章Scherzo(8,9番は逆)等々という感じである。
例外はあり、例えばショスタコーヴィチの5番は2楽章Allegro、3楽章Largo、マーラーの6番は2楽章Scherzo、3楽章Andanteとなっている。

マーラーの6番は9月9日NHK「クラシック音楽館」で放送されたラトルのベルリン・フィル・フェアウェル・コンサート(2018年6月19、20日)で演奏された。柴田南雄「グスタフ・マーラー」(岩波新書)によると、6番は2楽章がScherzo(イ短調)、3楽章はAndante(変ホ長調)だが、マーラーは一時期2,3を入れ替えていたそうだ。この時のラトルの演奏は調性から推して2楽章Andante、3楽章Scherzoだったか?どなたかご教示下されば幸いである。それにしても柴田も言っているが、短調のScherzoというのもパラドキシカルだ。

さて、カルテットを見てみる。
手元にあるものでは、ベートーヴェンの後期のものは13、15番が2楽章Scherzo、16番は2楽章Vivaceで3楽章が緩、12番のみ2楽章Adagio、3楽章がScherzoである。
ショスタコーヴィチの全15曲は楽章構成自体が様々で、少数派であるが4楽章のもので見ると急-緩もあり、緩-急もあって法則性はない。
またH.ヴィラ=ロボスの全17曲では、大多数が4楽章で、スケルツォ楽章が置かれているのが特徴的で、3楽章がそうであるものが大半だが、2楽章であるのもあり一定していない。

ショスタコーヴィチのカルテットといえば、かつて(20年位前)NHKFM日曜夕方の「芸術ジャーナル」のオープニングで3番の第1楽章の出だし部分が使われていたのが思い出される。

今回のブログを書くにあたって、金子建志が解説しているブルックナーの「交響曲9番」のエアチェックテープ(1997年9月21日(日)「海外クラシックコンサート」ジュリーニ、シュトゥットガルト放響1996年9月19日)を聴いたら、テープの余りに当日の「芸術ジャーナル」(この時は池辺晋一郎の「作曲家の目」でブラームス没後100年に因む話だった。)が入っていた。
ブルックナーの9番は未完の作品で4楽章で構想されたが残されたのは3楽章までで、ブルックナーとしては例外的に2楽章Scherzo、3楽章Adagioとなっている。

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