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2018年12月31日 (月)

「ムンクとフェルメール展」

あっという間に大晦日が来てしまった。
2018年を無事過ごすことができたことに感謝すると共に、今年も思ったことの10分の1も出来なかった悔いの念を胸に新しい年を迎える。

旧聞もいいところになってしまったが、年の最後のブログとして以下を取り上げたい。

11月21日(水)に上野で開催されている表記の展覧会へ行って来た。共に年明け後しばらく迄の会期だが、年内に行こうと考えていて、旅行を終えてから調べてみたら、「ムンク展」がこの日「シルバーデー」で65才以上は無料入場できると知り、「フェルメール展」の方は20時まで開場しているので、2つをはしごすることにしたのだった。

「フェルメール展」は日時指定入場制を取っており、余裕を見て17:00~18:30の枠にした。入場料は\2,700と高めで、ネットの前売りで購入したので\200割引された。

都内の展覧会は2年半振りで、上野は3年半振りになる。その直近が森アーツセンターギャラリーでの「フェルメールとレンブラント」展だった。

先ず腹ごしらえをすることにして、文化会館2階の精養軒でハヤシライスを久し振りにいただく。

この日の人出はものすごかった。西洋美術館前の広い通路が往来する人波で埋まっていた。
都美術館のロビーもシルバー世代でごった返していた。
横4列に並ばされ、入場口まで30分位だったか、それほどのストレスを感じることもなく会場へ入ることが出来た。

「ムンク展」、副題は「-共鳴する魂の叫び」、英語で「A Retrospective」とある。
総数101点の中では油彩が主体で、リトグラフ等の版画を含む初期から晩年に至る回顧展示である。
私は「叫び」をこの目で見たくてこの「ムンク展」へ来た。

Img_8208

ムンク作品を見て感じたのは、その色彩感覚の非凡さである。また「叫び」に象徴されるように、作品から醸し出される不安、焦燥、絶望へ対峙する実存主義的な自己といった切迫感に包まれる。

都美術館を17時頃出て、時間に余裕があったので公園内のレストラン「パークサイドカフェ」で食事をした。チキン、野菜付きジンジャーカレーとコーヒー。

まだ18時前だというのにすっかり夜の帳が下りていた。特に上野の森美術館への道は人通りもなく、寂しいことといったらない。
こちらは予想に反して待ち時間ゼロで会場へ入ることが出来た。

Img_8209

2階から見ていくようになっていて、フェルメール・ルームは1階にある。
可成り広く、ここにフェルメールの作品が8点展示されていた。入り口から正面の長い壁に右から製作年代順に6点(「赤い帽子の娘」と「手紙を書く婦人と召使い」だけは何故か順番が逆)が、右側の壁に「マルタとマリアの家のキリスト」、左側の壁に「牛乳を注ぐ女」が掛けられていた。

フェルメールが8点も一堂に会するというのは相当に贅沢なことで、これはニューヨークのメトロポリタン美術館の5点、フリック・コレクションの3点を合わせた数で、ニューヨークへ行ったとしてもこの2館を渡り歩かなければならない。

「マルタとマリアの家のキリスト」の額下側に銅板があり、「Mr.M.A.COATSコレクションを引き継いだ2人の息子達により1927年に寄贈・・・」という趣旨の英文が刻まれていた。
単眼鏡を持参していたので読めた。絵を単眼鏡で覗くと細部の表現の見事さに絶句させられる。「ワイングラス」の窓のステンドグラスとそれを透かして見える曇りガラスの精密な描写。「牛乳を注ぐ女」の鉢へ注がれるミルクのらせん、壁のピン穴、床に接する壁のタイルの模様・・・単眼鏡で見ているとその精細さに驚かされた。

フェルメールと同時代の17世紀オランダの風俗画39点の展示の方も興味深いものだった。過去の展覧会で見た作品も散見されたが、その中で23エマニュエル・デ・ウイッテ「ゴシック様式のプロテスタントの教会」は森アーツセンターの「フェルメールとレンブラント」展でも見ていて、その際にブログでも触れた。(→2016.4/4

気が付いたら20時の閉館時間が近付いていた。人の山もなく理想的な鑑賞をすることが出来た。

今回の「フェルメール展」は以下の9作品(数字は出品番号、日本初公開=☆、今回初めて見た=★)。
40「マルタとマリアの家のキリスト」
41「取り持ち女」(☆、’19年1月からの展示)
42「牛乳を注ぐ女」
43「ワイングラス」(☆、★)
44「リュートを調弦する女」
45「真珠の首飾りの女」(★)
46「手紙を書く女」
47「赤い帽子の娘」(☆、★、12月20日まで)
49「手紙を書く婦人と召使い」
年明けに「赤い帽子の娘」と入れ替わる「取り持ち女」を私は見ていないが、今のところもう一度見に行こうとは思っていない。まだまだフェルメールオタクを自称するまでになっていない。(^^;

これで私が見たフェルメール作品は22となった。(*)
現存するフェルメール作品は37で、その内2点は真作か否か結論が出ていないようだ。また「合奏」は盗難に遭って行方不明だという。しかも作品は欧米の美術館に分散しているので、全作品を目にするのは大変にむつかしい。

(*)ブログ「フェルメールとレンブラント」展(’16.4/4、上のリンク参照)で18点としたが、これは19が正しい。その時見た「水差しを持つ女」を数えていなかった。(^^;

私が今見たいのは、
・「士官と笑う娘」(フリック・コレクション、ニューヨーク)
・「デルフト眺望」(マウリッツハイス美術館、デン・ハーグ)
である。

NHK「100分で名著」12月のスピノザ「エチカ」テキスト口絵にフェルメールの「天文学者」の図版があって、「モデルがスピノザとの説がある」とあった。ちなみにスピノザとフェルメールは同い年で共に1632年生まれだ!
(了)

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