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2019年12月29日 (日)

「京都・奈良の旅’19」-12(正倉院展)

前日同様徒歩で奈良公園へ向かう。奈良国立博物館を目指す道は人で一杯、そして鹿が可愛い。

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春日大社もそうだったが、ヨーロッパ系の外国人が目立つ。

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会場の西新館と特設テントが見えてくる。左のテントはコインロッカー用。

エントランスにはくす玉がセットされ、1000万人目の正倉院展通算入場者がカウントダウンされていたが、我々の前後はまだ先のようでその場を素通りした。
展示を見終えてロビーへ戻ると読売新聞の特別号外が出ていて、「1000万人突破!」の見出しが躍っていた。

今年は「ご即位記念」と銘打たれ「第71回」を数える。昭和に40回、平成で30回とこれまで70回を数え、令和になって初めての正倉院展である。

東京国立博物館でも「御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」」が10,11月の1ヶ月余開催された。こちらも名品の数々が出展されたが、行かなかった。

令和」は5月1日にスタートしたが、その1月前の4月1日に発表された。出典は「万葉集」で、730(天平2)年正月の太宰府の大伴旅人邸で詠まれた歌の序文だそうだ。日本の古典から採られるのは初めてという。
翌日の朝日新聞によれば、この序文は中国の「文選」もしくは「蘭亭序」を典拠としていて、日本のオリジナルではないことを盾に、そう言っては何だがケチを付けている。
天平2年は聖武天皇在位の時代で、「万葉集」は当時の代表的古典である。当時は政治・文化全般において中国を範としており、いわば本歌取りの元歌が中国で、グローバル化していたわけで、むしろ当時の教養が国際的だったとプラスに捉えるべきだと思う。

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図録表紙を飾るのは「金銀平文琴」(きんぎんひょうもんきん)。文字通り金銀で加えられた装飾にはため息が出るばかり。これが例年のハイライトとなる宝物の展示場所を占めていた。

それに隣り合うコーナーに「鳥毛立女屏風」。第1~6扇。
何年か前にも展示されて、その年は見ていないので残念な思いをしていたリベンジができた。しかも今回のような全点展示は1999(平成11)年以来20年振りのことだそうだ。
中学時代に美術の教科書で見て以来好きな絵画である。当時の先生の言、「引目かぎ鼻、ふっくらとした顔、これが天平美人」が耳に焼き付いている。あと、頭、衣服に鳥の羽毛が貼付けられていた、とも。
図録解説は、描かれている婦人の化粧、容姿から唐代の様式としているが、「買新羅物解(ばいしらぎもつげ)」という文書(*)の反古紙が下貼りされ、羽毛は国産のヤマドリと同定されて、この屏風が日本で製作され、752(天平勝宝4(752)年から同8(756)年の間に成立したものであることが定説だと記している。

(*)752(天平勝宝4)年は東大寺大仏開眼供養会が盛大に挙行され、この年新羅は大交易団を平城京へ派遣し、大仏参拝もした。この際の日本側貴族の文書(=買新羅物解)の反古紙が下貼りされていた。(坂上康俊「平城京の時代」(岩波新書)(A)P.176)

これを見ることが出来ただけで今回来た甲斐があったと思っている。

例年聖語蔵(しょうごぞう)から出陳される経巻を見ることも楽しみになっている。今回は唐経、光明皇后御願経(ごがんきょう)から1巻ずつの出陳。
天平12(740)年5月1日付けの願文が付されているので、「五月一日経」とも称される。
今回で正倉院展は9回目になるが、先日それら過去の図録を見ていて気付いたが、光明皇后御願経は毎回出陳されている。
上掲書(A)によれば、「五月一日経」は一切経の写経の嚆矢で、その後のスタンダードとなった。(P.164)
またこのようにも、「千載の後に天平の・・・意匠を残し得たのも、光明皇后の点睛、すなわち聖武天皇の七七忌にあたっての、聖武遺愛の品々の東大寺正倉院・・への献納によると言うべきであろう。」(P.177)

地下のミュージアムショップで図録と「歴史探訪に便利な 日本史小典」(日正社)をGET。後者は手帳サイズで面白そうだったので。

奈良ホテルへ戻ると丁度無料送迎バスが出発するところ(16:45)だったので乗車。
17時30分発の近鉄京都行き特急へ間に合う。
京都駅新幹線構内で駅弁と千枚漬けと赤福GET。
18時48分京都発のぞみ138号6号車。

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「東海道新幹線弁当」

21時30分東京発さざなみ9号  22時32分木更津着。
(終わり)

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